フランス人と英語で話そう!
この記事で書くこと
- フランス人が話す英語の特徴ってどんなの?
- フランス人の英語を聴く時のコツは?
- フランス人が認識しやすい英語を話すには?
この記事を書いた人
説得力をもたせるために執筆者のバックグラウンドを書いてみる。
- フランスの大学で研究職してる [1] 厳密には博士学生だけど
- 日常言語は英語70%, フランス語20%, ドイツ語9%, 日本語1% [2] 日本語はもはや独り言に使う程度
- パートナーがフランス語ネイティブ [3] 多国籍保持者なので、フランス人と言い切るのも不正確。こういうところはヨーロッパによくある
記事を書こうと思ったきっかけ
ネットミーティングの様子を録画して、見返すきっかけがあった。自分の発言を聞いてみると、ずいぶんとクセがある英語を話すようになったな、と感じた。直感的にはフランス人の英語に似ていると感じた。
でも、どうしてそう感じたのだろう?そう感じたので、深く考えてみることにした。
フランス英語ってどんなのよ?
そもそも、フランス人の英語なんてみんな知らないでしょ?とりあえず例を見せることにする。
一例としてこんなの。
こっちのビデオもなかなかいい例
フランス人と英語で話をしてみよう
ここまでが前置き。ここから、ぼくが思う「フランス人との英会話」を書いてみる。
3つのパートへ分けてみることにした。
- フランス人の英語を聴くコツ(発音)
- フランス人の英語を聴くコツ(文法)
- フランス人が認識しやすい英語を話すコツ
当たり前だけど、話し方のクセなんて人によって違う。でも、幸いにもぼくはたくさんの人と話をしてきている。なので、なるべく多くの人に共通するクセを書いてみる。そして、細かいことの列挙はしないことにする。ぼくの基準で、アメリカ英語として認識可能なことは書かないことにする。
フランス人の英語を聴くコツ(発音)
hの消失に注意してみよう
フランス語の音規則では “h"の音を発音しない。だから、アメリカ英語とは違う音に聞こえてしまう。ビデオで “hedgehog"を発音できない人が多いのは、これが理由。まぁ、hedgehogは日常で使わない語だけど。
日常語だと、"hungry"と"angry"が同じ音に聞こえる。 [4] 少なくともぼくには 「お腹すいた」と「怒ってる」ではぜんぜん意味が違うと思わない?でも、そういうことはよくある。
対策として a, i, u, e, oの前にhを補間して意味を理解するクセを持っておくといい。他には文脈で単語を判別してもいいと思う。
ちなみに、このクセはイタリア人もよくやる。
rの音を置き換えた解釈してみよう
フランス語の"r"発音はアメリカ英語の"r"とはまったく違う。フランス語のrのままで英語を話してしまう人もそれなりにいる。フランス語の"r"は日本語のハ行に近い音。
この影響がモロに出やすいのが re-で始まる英単語。例えばreactionならば「ヘアクチョン」という音に近くなる。
主語と動詞のあたりに注意して聴いてみよう
実はここが一番むずかしいポイントだったりする。主語と動詞は文開始を示すマーカーである。そのマーカーを認識できないのはかなり痛い。「コツ」と書いておいて申し訳ないんだが、認識できないものはどうしようもない。素直に聞き返すのが良い。
聞き返すのをためらう必要はない。フランス語会話でもよく「誰が?(qui?)」と質問しあってる。わっかんねぇ、という前提で話を聴く姿勢で十分だと思う。ぼくは、わからないときは"who did what?" と質問してる。[5] なぜか過去形にすると、フランス人が質問を理解してくれやすい。who do what? では理解してくれないことが多々あった。理由は不明。
で、主語と動詞の音が認識できなくなる理由だけど、代名詞とbe動詞、または代名詞とhaveの間で発生しやすいとぼくは思う。例えばこんな感じ。
- I’m が 「アン」に聞こえるから
- he isが「ヒイス」に聞こえるから
- I haveが「アブ」に聞こえるから
フランス人の英語を聴くコツ(文法)
itの代わりに性別つきの代名詞を使いがち
例をみるのが一番いいと思う。
A: I bought a new car yesterday. Look! This is the pic.
B: She is cool! (正解は It is cool! )
トンチンカンな会話に聞こえてしまうかもしれない。「え?sheってだれ???」みたいな気分になるだろう。ぼくはよくそう思ってた。
この間違いはロマンス語を知らない人には奇妙に聞こえるかもしれない。原因は、ロマンス語系では自動車が女性名詞であること。フランス語の代名詞では自動車にelle(彼女)を割り当てる。
きっと、この間違いをするフランス人の頭の中では女性名詞のイメージのまま英単語を当てはめてるのだろう。
対策として、代名詞を聞い時に表現可能なぜんぶ単語に対して解釈を試してみるといい。せいぜい、対象は1個か多くても3個くらいのはずだ。はじめは苦戦するが、慣れてくれば解釈スピードが早くなる。
単純過去の表現を間違えがち
例えばこんな感じ。
“I’m knew the fact" (正解は I knew the fact)
この間違えは意味をわからなくもないが、なんとも気持ちが悪い。ぼくはいまだにこの間違いに居心地の悪さを感じる。共感覚なんだろうか。
おそらくこの理由は、フランス語の表現で単純過去は助動詞と動詞のmixで表現することが原因。
と、書いてみたもののそれではキレイに説明がつかない。knowの過去形をフランス語で表現するならhave動詞が助動詞になる。be動詞は使わない。にもかかわらず、この間違えをする人はなぜかbe動詞で過去形にしてしまう。とても不思議。
対策としては、動詞に注目して意味解釈をするといいだろう。
フランス人が認識しやすい英語を話すコツ
ここからは話し手の立場で書いてみる。ここまででわかるとおり、フランス人の英語はアメリカ英語と違う傾向がある。なので、話し手がアメリカ英語と同じように話しても、フランス人が認識できないことがあっても不思議じゃないだろう。
ここからは、ぼくが普段から意識してることを書いてみる。ぼくが相手の反応を見ながら話し方を色々ためしてみた結果を書いてみる。当然、これはぜーんぶぼくの主観である。
動詞よりも名詞で意味を表現する(特に-tionで名詞化できる単語)
例えばこんな感じ。
動詞で表現: I interpret the fact precisely.
名詞で表現: I have a precise interpretation of the fact.
なぜかこれだけで理解してもらえる割合がぐーんと上がる。きっと、-tionの名詞で発音すると、聞き取りやすいのだろう。
it is 構文で表現する
代名詞と動詞で表現可能なことを、あえてit is構文で表現してみる。
代名詞と動詞で表現: You did good job yesterday.
it is構文: It is a good job that you did yesterday.
it is構文にすると、発音量が増えてしまうが。まぁ、でも理解してもらえることが優先。
ちなみに、It isの後の句をスピードを落として強調する発音にすると、イギリス英語っぽくできる。ぼくはイギリス人と話をした後にはこのクセを出しやすい。自分で発音をしててもわかるくらいに露骨になる。
shouldの代わりにIt’s supposedの表現に
It is構文にするテクニックの派生系。
shouldで表現: We should finish the task until tomorrow.
it’s supposedで表現: It’s supposed that we finish the task until tomorrow.
たぶん、フランス語にほぼ同等の意味構文 il faut queがあるのが原因と思われる。shouldと同等のdevoir助動詞もあるはずなんだけど、認識してもらえる率が落ちる。どうしてだろうか。
(難易度+)フランス語の発音で言い直す
これは相手の反応を見て、理解してない時に使う手。言い直しをするだけで、理解してもらえることがある。
in-をフランス語の発音にすると、「アン」の音に近い [6] 厳密には違うけど、だいたい近似できればいい 例えば、informationは「アンフォマチオン」にすればいい。
enをフランス語の発音にすると、「オン」の音に近い。例えばcorrespondenceは「コヘスポンドンス」にすればいい。
でも、これはフランス語の音規則を知らないとできないので、ちょっと難易度たかい。
おわりに
フランス人と英会話するコツを書いてみた。フランスにいるんだから、フランス語を話しとけよ。という感じではある。
しかし、そうも簡単にいかないのは外国人の宿命。なんとか手持ちのスキルだけでやっていかないといけない。と、いうことでフランス人との英会話の助けになれば嬉しいです〜。
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