2020/07/04 Mainzの街を散策した話

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こんなことを書く

ドイツの中央部からやや西に行くと、Mainzという街がある。この街に1日観光(ドイツ語ではAusflugと言う)に行ってきたので、旅レポを書く。

こんなことを紹介する

  • Mainzの立ち位置的なこと
  • 行ってみると良い場所
  • たぶん、日本語で紹介してる観光ガイドよりも、ふつーに地元感がある場所を紹介できる(と自信がある)

そんなわけで、日本語で観光ガイドをご希望の方は、よろこんで承りますので、問い合わせからメッセージをどうぞ。

記事を書く前に他のサイトを一通り見てみた。この記事の紹介をカバーできているサイトは見つからなかった。

他サイトを調べてみると、かなりいい加減なことを書いている記事も多かった。1つ例をあげると、Mainzの特産品としてMaultasche(要するにドイツ式餃子)を紹介している大手企業サイトもあった。真っ赤なウソである。Maultascheは南ドイツの特産品。Mainzは南ドイツではない。

と、大手企業が嘘を書く時代なので、情報の扱いが重要なのだと改めて感じた。

そもそもMainzとは?

Mainzはこんなところにある街。

日本人もだいたい知っている街Frankfurt am MainはHessen州にある。対して、MainzはRheinland Pfalz州にある街。上の地図でいうところの、Mainz沿いの川が州の境界だと思えば良い。

Mainzの地理上の特徴はドイツの大きな2つの川が合流する地点であること。2つの大きな川とはMain川とRhein川である。

Mainzに行くには?

日本人観光客はだいたいFrankfurt am Mainに到着する。FrankfurtからMainzはS-Bahnで30分程度。S-Bahnとは要するにJRみたいなものだと思えばいい。Frankfurt住民の感覚では、Mainzに行くのは、大阪から奈良に行くような距離感覚だ。

この記事でしつこくFrankfurt “am Main"を書いているのは、筆者のクセ。ドイツにはFrankfurtが2つ存在している。観光客が「フランクフルト」と言うと、だいたいのドイツ人はam Mainのことだと、察してくれる。しかし、住民の会話ではそうはいかない。特に北ドイツで「フランクフルトに住んでます」と言うと「an der Oder? am Main?」と必ず質問される。なので、ドイツでは慣習的にFrankfurt am Mainと書いたり、Frankfurt(M)やFrankfurt/Mなどの表記をする。

MainzでFree Walking tourはいかが?

Mainzは大学で有名な街である。なので、大学生が多い。今回は、学生が主催するFree Walking tourに参加した。Freeと書いてあるので、もちろん無料である。Mainzに住む大学生が自主的に開催しているイベント。開催言語は英語なので、ドイツ語ができない人でも安心。

今回のガイドはアルゼンチン出身のHermanだった。Hermanってドイツめっちゃドイツの名前なんだけど、それでも彼はアルゼンチン出身。きっと、あれだろう、アルゼンチンにはドイツ文化があるから(ナチスの高官が戦後に逃げた先もアルゼンチンが多かった)

ツアーは無料になっているが、ツアーの最後にお礼としてチップを渡すのが礼儀。だいたい5€くらいが平均相場と思えばいいだろう。

Hermannによると、Mainzはローマ時代から続く街とのことだ。当時はローマ帝国の支配だったので、ラテン語の読みの名前を持っていたとのこと。Hermanが昔の街の名前を教えてくれたが、残念ながら忘れてしまった。Mainzという名前になったのは、およそ12世紀ごろとのことだ。

Mainzの街は近代になって、なんどか統治者が入れ替わっている。Hermanによると、統治者がフランスとドイツの間で3回の変更があったとのこと。3回とは、1回目がナポレオン戦争、二回目が第一次世界大戦、三回目が第二次大戦の後。特に第二次大戦後はMainzはフランス統治の領土になった。Main川を境界にしてフランス領土とアメリカ領土を分割したので、Frankfurt am Mainはアメリカ領土だったのに対し、Mainzはフランス領土になった。

こうした街の歴史があるので、Mainzの街にはフランス文化が浸透しているとのこと。特に通りの名前や商店の看板にフランス語の単語を多く見られるとのこと。

Mainzの街を散策すると、通り標識にふたとおり種類があることに気がつく。赤と青の2種類。赤は「川に面した通り」を意味し、青は「川に並行な通り」を意味する。色をわけた意味は消防隊のため。消防隊がすぐに水源を確保できるための工夫らしい。だから、川に面したとおりが「赤」になる。

HermannがMainzで数すくない第二次大戦の被害をうけなかった建物として、この建物を見せてくれる。確かに建築が明らかに他とは違うので、興味があると見てみるといいだろう。

そして次は魚の噴水。なぜ魚かというと、この先が魚市場だから。いまも現役の魚市場として機能しているので、覗いてみるといいだろう。ちなみに、この噴水の魚の下の球体。これはジャガイモを表しているとのこと。まったくそうは見えない。なぜジャガイモかというと、魚とジャガイモの組み合わせが美味しいから。

ツアーガイドの後に現地に住む友達の友達がMainzの街を案内してくれる。ドイツ人。長く住んでいるドイツ人の情報だから、地元感が強い情報だろう。

まずは昼食。このレストランHof Ehrenfelsを紹介してくれる。このレストランの特徴は、古いホテルの建物の一部を使っていること。ホテルとしてもいまだに機能している。トイレはホテルの一室をそのまま解放するっていうなんとも大胆な方法であった。

こういう料理がMainzの特産品ということだった。写真はtripadvisorから拝借。名前を忘れてしまった。食べたい人はこの写真を見せればいいだろう。

つづいて眺めがよいところがあるというので、その場所に連れて行ってくれる。Mapで示すとこのあたり。

こんな眺めを見ることができる。右にある建物は学校。Bischöfliche Willigis- Realschule u. Gymnasium。高台になっているので、眺めが良い。

この場所にいくために、坂を登らないといけない。この坂はTram(die Strassebahn)も走っており、なんとなくサンフランシスコっぽいような雰囲気を感じる。

坂の途中に、Kaffeekommuneという有名なコーヒー店がある。コーヒー好きな人にはオススメ。自家焙煎しているコーヒーで、砂糖を入れなくとも甘めの味を楽しむことができる。

眺めが良い場所を楽しんだ後は、行列ができるアイス店があるというので、連れて行ってくれる。N’Eisという洒落た名前のアイスクリーム店。発音をそのまま読むとNiceと読める。きっと、そういう洒落なのだろう。ドイツ語の意味的には「アイスではない」になってしまうのだけれど。

このアイスクリーム店はRhein川のオープンスペースに面している。夏の時期は、大学生が集まっていたり、川でウォータースポーツをする人たちをみることができる。

アイスクリーム店のすぐそばには、Hilton Hotelがある。つまり、Mainzの中でもかなり「良い」とみなされている地域ということだ。Hilton Hotelのトイレはとても清潔とのことなので、トイレが必要な人は覚えておくといいだろう。

夕食はポルトガル料理を食べる。店に仕入れている水やジュースもポルトガルから輸入している品で、「本当の」ポルトガル料理を食べることができる。後日、ポルトガル人に写真を見せたら「そんな商品がドイツにあるなんて!欲しい」と言っていた。きっと、普通にはなかなか手に入らないんだろう。

写真は要するにイカリング。油はオリーブオイルをベースにしているが、レモンの味が非常に強い。柑橘類の味が好きな人ならば、きっと病みつきになる味だと思う。しかし、いかんせん量が多い。日本人の口にはかなり重めの油なので、1皿を成人男性二人で分ける程度でちょうど良いかもしれない。